IN-BETWEEN DWELLING

東京都心の起伏ある建て混んだ住宅地の中、細く入り組んだ路地の奥に位置する小さな戸建住宅です。夫婦と子供の4人家族のためのこの住宅は、コンパクトながらも年月と共に変化する家族のライフスタイルに対応可能なフレキシブルな間取りとなっています。

半階分程高さの異なる道路と通路の2方向からアクセス可能な敷地形状に合わせて、高低差を活かしたスキップフロアの計画としました。高さ制限等を巧みに処理しつつ積み上げられた立体的な空間は、連続する空間のレベルとスケールの変化により、住まい手に多様な体験を生み出す「間」を形成しています。この緩やかに繋がる「間」が、家族の生活の結節点となり穏やかな拠り所となるよう配慮しました。

中心を貫く高さ6.5mの階段の両側に、レベルの異なる様々な空間が配置されています。開けた空間と閉じた空間を緩やかにつなぐ階段は光と風を室内隅々まで届けます。LDKやロフトは階段と共にオープンな空間を形成しシークエンスを構成する一方、その廻りに展開する閉じた箱状の諸室は、家族同士のプライバシーを保ちつつ、活動に合わせて転用可能なシンプルな空間となっています。

箱状の部分は木板張とし、階段の両側に浮いているように見える構成としました。壁や天井が室内外でつながる部分は内外の素材感を合わせ、室内と屋外の空間が呼応してつながるようなデザインとしました。

所在地
東京都渋谷区
用途
住宅
竣工年月
2022年1月
規模
地下1階 - 地上2階
構造
木造
敷地面積
58.00 ㎡
建築面積
33.22 ㎡
延床面積
83.21 ㎡
建物高さ
7.15 m
写真撮影
傍島 利浩