3 SLIT HOUSE

郊外の住宅地における趣味を楽しむための戸建て住宅です。日本家屋の伝統的な手法である坪庭を現代風に解釈し、坪庭との関係性を通じて環境との距離感を調節しながら生活を楽しむ住まいをデザインしました。

建て込んでいる敷地条件から、隣地側に窓のない矩形の外形とし、その矩形を穿つように内側に3つの坪庭を配置しました。坪庭を挟み対面する大きな窓は、太陽光と自然風を十分に室内に取り込み、機械的な照明や換気は最低限に抑えて、自然エネルギーの活用を図っています。

中庭の周りに展開する3つの矩形の建物内部は、吹き抜けで緩やかに繋がり、取り込んだ光や風が建物内隅々まで行き渡るよう計画しました。3つの坪庭は、近隣との間のプライバシーに配慮して積極的に緑化し、室内にいながら屋外と一体になるような、のびのびとした開放感を楽しめるよう配慮しました。

建物の構造体には木材を積極的に利用し、それを可視化してインテリアに見せるデザインとしました。左官外壁、天然木フローリングや天然石など自然素材を活用し、年月とともに味わいを増す、素材の質感を楽しめる空間となっています。

所在地
埼玉県入間市
用途
住宅・ギャラリー
竣工年月
2020年5月
規模
地上2階
構造
木造
敷地面積
104.19 ㎡
建築面積
54.65 ㎡
延床面積
73.16 ㎡
建物高さ
5.61 m
写真撮影
傍島 利浩