360° HOUSE

札幌の緑豊かな里山近い住宅地における、3階建の木造住宅です。円形の中庭を中心に各室が放射状に展開するプランとし、回りながらアクセスする動線が視覚的・空間的に緩やかにスペースをつなぎます。プライバシーの守られた中庭は光や風を届け、四季折々の景色の変化を映し出します。時間とともに方向や明るさが変化していく陽光が、日時計のように住まい手の生活にリズムを与えます。

外観は、近隣街並みと呼応する落ち着いたグレーの箱形のシンプルな形状としました。明るさや季節によって様々な印象を見せる左官仕上の外壁は、天然木張のエントランスとメリハリのあるコントラストを見せます。1階エントランスは積雪へ配慮した駐車・アクセススペースとなる広々としたピロティとしました。ピロティ奥の木ルーバー扉からは中庭へアクセスでき、本計画の特徴である中庭の円形が外観からも感じられます。

中間期・夏季は中庭の上昇気流による自然な対流を室内に取り込み自然換気を行います。冬季は全館床暖房により、快適な温熱環境を実現しています。地場の自然素材を積極的に採用し、サスティナブルに配慮しています。

所在地
北海道札幌市
用途
住宅
竣工年月
2020年4月
規模
地上3階
構造
木造
敷地面積
257.86 ㎡
建築面積
100.35 ㎡
延床面積
278.05 ㎡
建物高さ
8.56 m
写真撮影
水上 五郎